知りたくなる!故事成語のあらすじ 目次


成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

「呉越同舟」「臥薪嘗胆」「四面楚歌」……。ことばの奥に潜む物語が四字熟語の魅力です。物語の意味を知り改めて四文字の結びつきや組み立ての深淵や芳醇を感じることが四字熟語のおもしろさ。中国では「故事成語」といいます。落語にも通底する魅力です。ここでは、仏教由来、中国由来、和製の故事成語、さらには名言名句にまで材を求めて、古人の知恵と笑いをさぐってみましょう。2024年7月15日現在。

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

あいえんきえん【合縁奇縁】人と人の交わりは不思議な縁によるもの

あいきこつりつ【哀毀骨立】親しい人が亡くなって、悲しくて痩せてしまった

あいきゅうおくう【愛及屋烏】→愛は屋烏に及ぶ

あいこうへんや【哀鴻遍野】難民であふれる

あいごせいもく【相碁井目】実力というものは人さまざま

あいぞうのぬし【愛憎の主】→余桃の罪

あいはおくうにおよぶ【愛は屋烏に及ぶ】人を好きになると周辺にも愛情が及ぶ

あいべつりく【愛別離苦】愛するものと別れる苦しみ

あいまいもこ【曖昧模糊】ぼんやりしていてはっきりしない

あいれんのせつ【愛蓮の説】→蓮は花の君子なる者なり

あうんのいき【阿吽の息】なにかをするときの互いの微妙な調子や気持ちの釣り合い

あおいろといき【青色吐息】弱ったときにでるため息

あおはあいよりいでてあいよりもあおし【青は藍より出でて藍よりも青し】→出藍の誉

あきたかくうまこゆ【秋高く馬肥ゆ】

あくいあくじき【悪衣悪食】質素な暮らしぶり

あくいんあっか【悪因悪果】悪い行いには悪い報いがつく

あくぎゃくむどう【悪逆無道】人の道に背く行い

あくじせんり【悪事千里】悪い行いはすぐに世間に知れる

あくせんくとう【悪戦苦闘】苦しいたたかい

あくにんしょうき【悪人正機】悪人こそ往生するにふさわしい

あくふはか【悪婦破家】心がけの悪い奥さんは家庭を壊す

あくぼくとうせん【悪木盗泉】困っていても他人に怪しまれる行いはしない

あこうのさ【阿衡の佐】名臣が政治を補佐する

あしたにみちをきかばゆうべにしすともかなり【朝に道を聞かば夕に死すとも可なり】

あたらしんみょう【可惜身命】命を大切にする

あつあくようぜん【遏悪揚善】悪を防ぎ、善を用いる

あつうんのきょく【遏雲之曲】雲も立ち止まるほどのすばらしい音楽

あっこうぞうごん【悪口雑言】悪口を言い放題

あつものにこりてなますをふく【羹に懲りて膾を吹く】

あてがいぶち【宛行扶持】一方的に決めた給料

あとぶつ【阿堵物】お金

あびきょうかん【阿鼻叫喚】むごたらしい

あめいせんそう【蛙鳴蝉噪】がやがや

あやうきことるいらんのごとし【危うきこと累卵の如し】

あやのあがん【阿爺の下頷】愚か者

あやまちてあらためざるこれをあやまちという【過ちて改めざる是を過ちと謂う】

あやまてばすなわちあらたむるにはばかることなかれ【過てば則ち改むるに憚ること勿れ】

あゆついしょう【阿諛追従】おもねりこびる

あゆべんねい【阿諛便佞】おもねり口先で立ち回る

あらたにもくするものはかならずかんむりをはじきあらたによくするものはかならずころもをふるう【新たに沐する者は必ず冠を弾き新たに浴する者は必ず衣を振るう】

あんうんていめい【暗雲低迷】穏やかならぬ状態が長く続く

あんえいのこきゅう【晏嬰の狐裘】倹約する

あんきょらくぎょう【安居楽業】落ち着いて好きな仕事ができる

あんこうそえい【暗香疎影】春の夕暮れ

あんしのぎょ【晏子の御】他人の権威におんぶして偉ぶる

あんしゃほりん【安車蒲輪】老人をもてなす

あんしょうのぜんじ【暗証の禅師】教理に暗い僧侶

あんじんりゅうめい【安心立命】天命にまかせ心の乱れがない

あんせんしょうじん【暗箭󠄀傷人】闇討ち

あんたくせいろ【安宅正路】仁と義とは安らかな家と整理された道

あんちゅうひやく【暗中飛躍】人知れずしのんで活躍する

あんちゅうもさく【暗中摸索】手探りで試みる

あんねいちつじょ【安寧秩序】社会に不安なく整然とした状態

あんぶんしゅき【安分守己】本文を守って生きる

いあくのしん【帷幄の臣】参謀

いいきのき【異域の鬼】客死

いいせいい【以夷制夷】外国同士を戦わせて自国を守る

いいだくだく【唯々諾々】人の言いなり

いいれんれん【依依恋恋】恋しくて離れられない

いおうえきぎょう【易往易行】念仏だけでたやすく往生できる

いかいくんとう【位階勲等】功績ある者に国家が与える栄典

いかんせんばん【遺憾千万】残念でたまらない

いかんそくたい【衣冠束帯】大げさな礼装

いきけんこう【意気軒高】元気はつらつ

いきじじょ【意気自如】いつもと同じく平然としている

いきしょうちん【意気消沈】しょげている

いきしょうてん【意気衝天】意気込みがさかん

いきそそう【意気阻喪】やる気なし

いきとうごう【意気投合】互いの心が通じ合う

いきようよう【意気揚揚】得意で誇らしげ

いきんかんきょう【衣錦還郷】出世し富や地位を得て故郷に戻る

いきんのえい【衣錦の栄】故郷へ錦を飾れるほまれ

いくえい【育英】

いくいくせいせい【郁郁青青】草木が香りよく青々と茂る

いくどうおん【異口同音】多くの人の意見が一致する

いげんのはい【韋絃之佩】おのれの性格の欠点をただすための戒め

いこくじょうしょ【異国情緒】外国の雰囲気が漂う

いこみき【已己巳己】互いに似ている

いしきもうろう【意識朦朧】意識がしっかりしない

いしにくちすすぎながれにまくらす【石に漱ぎ流れに枕す】

いしにたつや【石に立つ矢】→桃李言わざれども下自ら蹊を成す

いしはくじゃく【意志薄弱】自分でけ決められない

いしべきんきち【石部金吉】融通が利かない人

いしゅうばんさい【遺臭万載】悪い評判を後世までのこす

いじゅこううん【渭樹江雲】遠方の友を思う

いしょうさんたん【意匠惨憺】工夫をこらす苦心

いしょくたりてれいせつをしる【衣食足りて礼節を知る】

いしょくどうげん【医食同源】医療と食事は元は同じ

いしんでんしん【以心伝心】ことばに出さずとも互いの思いが伝わる

いたいどうしん【異体同心】→一心同体

いだてんそう【韋駄天走】足が速い

いたんじゃせつ【異端邪説】よこしまな考え

いちいせんしん【一意専心】そのことだけに心をくだく

いちいたいすい【一衣帯水】川や海を隔てながらも近接している

いちいんいったく【一飲一啄】自由に生きる

いちおういちらい【一往一来】行ったり来たり

いちげつさんしゅう【一月三舟】仏の教えも人によってさまざま

いちげいいちのう【一芸一能】得意とする技芸や技能を一つ持っている

いちげんこじ【一言居士】ひとこち言っておかなくてはおさまらない人

いちごいちえ【いちごいちえ】一生に一度の出会い

いちごいちじゅう【一伍一什】始めから終わりまで

いちごみょうち【一牛鳴地】距離が近い

いちじせんきん【一字千金】価値ある文字や文章

いちじつさんしゅう【一日三秋】待ち焦がれる

いちじつのちょう【一日の長】経験や技能がちょっとまさる

いちじつへんし【一日片時】わずかの時間

いちじふせつ【一字不説】釈迦は真理を説いていない

いちじほうへん【一字褒貶】一字の使い方次第で褒めたり貶したりする

いちじゅういっさい【一汁一菜】粗食

いちじゅのかげ【一樹の陰】このかかわりは前世から因縁による

いちじょうのしゅうむ【一場の春夢】人生の栄華ははかない

いちじりゅうこう【一時流行】時流に応じて変化する俳句

いちじんほっかい【一塵法界】一つの塵の中にも全宇宙が含まれる

いちぞくろうとう【一族郎党】家族と関係者すべて

いちだくせんきん【一諾千金】約束は重んじる

いちねんつうてん【一念通天】念じて努力すれば思いは天に通じて成功する

いちねんほっき【一念発起】決心する

いちばくじっかん【一暴十寒】ちょっと努力したあとずっと怠けていてはだめ

いちばつひゃっかい【一罰百戒】一人を罰して多くの人のいましめとする

いちびょうそくさい【一病息災】持病が一つあるほうが長生きする

いちぶいちりん【一分一厘】ほんの少し

いちぶしじゅう【一部始終】ことの顛末

いちぼうせんり【一望千里】見晴らしがよい

いちぼくいっそう【一木一草】無視できない小さいもの

いちまいかんばん【一枚看板】一座の大立者

いちみととう【一味徒党】仲間

いちもうだじん【一網打尽】一味を全員つかまえる

いちもうふばつ【一毛不抜】けち

いちもくじゅうぎょう【一目十行】理解力をもった速読の人

いちもくりょうぜん【一目瞭然】一度見ただけではっきりわかる

いちもんふつう【一文不通】一字もわからない

いちやけんぎょう【一夜検校】成金

いちやじっき【一夜十起】私心をなくすのは難しい

いちようおちててんかのあきをしる【一葉落ちて天下の秋を知る】些細な前兆から大事を予知する

いちようらいふく【一陽来復】冬至→冬が過ぎて春が来る→新年

いちりいちがい【一利一害】利もあれば害もある

いちりゅうひゃくぎょう【一粒百行】一粒の米には百の作業を経る

いちりゅうまんばい【一粒万倍】わずかなものが大きな利益をつくる

いちれんたくしょう【一蓮托生】運命をともにする

いちろへいあん【一路平安】道中無事で

いっかくせんきん【一攫千金】不労で巨利を得る

いっかんのふうげつ【一竿の風月】俗事にとらわれない生活

いっきいちゆう【一喜一憂】状況次第で落ち着かない心持ち

いっきかせい【一気呵成】ひといきにやり遂げる

いっきじっき【一饋十起】政治に熱心

いっきとうせん【一騎当千】一人で千人力

いっきのこう【一簣の功】仕上がり直前のちょっとした努力

いっきゅうのかく【一丘の狢】別物に見えてもよく見ると同類

いっきょいちどう【一挙一動】細かい動作

いっきょりょうとく【一挙両得】一つのことをして二つの利益を得る

いっけんらくちゃく【一件落着】一つの事柄や事件に決まりがつく

いっこうりょうぜつ【一口両舌】前に言ったことと後で言ったことが違う

いっこくせんきん【一刻千金】千金ほどのすばらしい時間

いっこけいせい【一顧傾城】美人

いっこせんきん【一壺千金】つまらない物でも時と場合次第では貴重品に

いっこのえき【一狐の腋】希少で珍重すべきもの

いっさいかいくう【一切皆空】すべてのものには実体がない。仏教

いっさいがっさい【一切合切】すべて

いっさいしゅじょう【一切衆生】生きているものすべて。仏教

いっしそうでん【一子相伝】奥義を自分の子どもにだけ伝える

いっしどうじん【一視同仁】人を分け隔てなくいつくしむ

いっしはんせん【一紙半銭】わずか

いっしゃせんり【一瀉千里】文章がすらすら書ける

いっしょういちえい【一觴一詠】一杯飲むたびに一編を作詩する

いっしょうさんたん【一唱三嘆】詩をほめる

いっしょくそくはつ【一触即発】危険な状態

いっしんいったい【一進一退】進んだり戻ったり

いっしんどうたい【いっしんどうたい】二人以上が強く結ばれる

いっしんふらん【一心不乱】集中する

いっすんのこういん【一寸の光陰】わずかな時間

いっせいのゆう【一世の雄】時代の英雄

いっせいふうび【一世風靡】時代の流行

いっせつたしょう【一殺多生】一人を殺して大勢を救う。仏教

いっせんそうちょう【一箭双雕】一石二鳥

いったんかんきゅう【一旦緩急】いざという時

いっちはんかい【一知半解】中途半端な知識

いっちょういっし【一張一弛】時に厳しく時におおらかに

いっちょういっせき【一朝一夕】わずかな時日

いっちょういったん【一長一短】いいところもあれば悪いところもある

いってきせんきん【一擲千金】大金を一度に使う

いってんいっかく【一点一画】構成要素

いってんばんじょう【一天万乗】天子

いっとうりょうだん【一刀両断】決断が早い

いっとくいっしつ【一得一失】得たりなくしたり

いっぱいちにまみれる【一敗地に塗れる】大敗

いっぱつせんきん【一髪千鈞】危険まるだし

いっぱんをみてぜんぴょうをぼくす【一斑を見て全豹を卜す】見識が狭い→ちょぼいち

いっぱんのむくい【一飯の報い】一度の飯の恩に報いる

いっぴんいっしょう【一顰一笑】顔に出る心の変化

いっぺきばんけい【一碧万頃】青々と広がる水面

いっぺんのひょうしん【一片の氷心】清く澄んだ心

いつぼうのあらそい【鷸蚌の争い】→漁父の利

いつやのらん【乙夜の覧】天子の読書

いつをもってろうをまつ【佚を以て労を待つ】

いっきょしゅいちとうそく【一挙手一投足】

いっけんかたちにほゆればひゃっけんこえにほゆ【一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ】

いっしょうこうなってばんこつかる【一将功成って万骨枯る】

いっしんどうたい【一心同体】

いっすいのゆめ【一炊の夢】

いったんのしいっぴょうのいん【一箪の食一瓢の飲】

いっていじをしらず【一丁字を識らず】

いっぱいちにまみる【一敗地に塗る】

いっぴんいっしょうをおしむ【一嚬一笑を愛しむ】

いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし【一夫関に当たれば万夫も開く莫し】

いつぼうのあらそい【鷸蚌の争い】→漁父の利

いちもってこれをつらぬく【一以て之を貫く】

いのちながければすなわちはじおおし【寿ければ則ち辱多し】

いのなかのかわずたいかいをしらず【井の中の蛙大海を知らず】

いばしんえん【意馬心猿】

いへんさんぜつ【葦編三絶】

いんがおうほう【因果応報】善行には善報が、悪行には悪報が

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

がんこうしはい【眼光紙背】文字づらばかりか文章の深意を知る

がんこうしゅてい【眼高手低】口ほどにもない 談志

かんしょうばくや【干将莫邪】伝説的な名剣

きゅうぎゅうのいちもう【九牛一毛】取るに足りない

けいぐんのいっかく【鶏群一鶴】凡人の中に一人傑物がいる

こうこうのしつ【膏肓の疾】不治の病

こうてんしんなくただとくをこれたすく【皇天親なく惟徳を是輔く】天は徳人を助ける

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

しゅつらんのほまれ【出藍の誉】

せきあくのよおう【積悪余殃】悪を積んだ家ではその悪報が子孫に

せきぜんのよけい【積善余慶】善を積んだ家ではその余徳が子孫に

ぜんいんぜんか【善因善果】よい原因にはよい結果が

そうじょうのじん【宋襄の仁】いらぬ気遣い

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

たざんのいし【他山の石】他人の悪行を見て自己の向上を図る

ちみもうりょう【魑魅魍魎】化け物いろいろ

ちんけんへいも【椿萱並茂】両親が健在

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

はすははなのくんしなるものなり【蓮は花の君子なる者なり】

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

ゆうずうむげ【融通無碍】のびのび 志ん生

ようしほうこう【雍歯封侯】部下を安心させるには嫌いな者をまず抜擢する

よとうのつみ【余桃の罪】

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

参考文献:『中国故事物語』(後藤基巳ほか編、河出書房新社、1972年)、『中国名言物語』(寺尾善雄著、河出書房新社、1972年)、『日本故事物語』(池田弥三郎著、河出書房新社、1967年)、『中国の故事と名言五〇〇選』(駒田信二ほか編著、平凡社、1975年)、『新明解四字熟語辞典』(三省堂編修所編、三省堂、2010年)、『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部編、岩波書店、2002年)、『大漢和辞典 修訂第二版』(諸橋轍次編、大修館書店、1989-90年)

  成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

しゅんじゅうさしでんのことば【春秋左氏伝のことば】故事成語 ことば

  成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

『春秋左氏伝』はいまでもかなり楽しめる書です。紀元前722年から前481年までの古代中国、魯の国のできごとを記した『春秋』(歴史を意味します)という書の注釈本のひとつ。「なんだ、注釈書か」と思われるかもしれません。でも、これがすごい。よく読むと、素っ気ない文体に豊かな含蓄。あまた味わい深くて。酒見賢一、宮城谷昌光、安能務なんかが描く世界ですね。現代でもおなじみのことばがたくさん登場します。故事名言の宝庫です。そこで、気になることばを一覧にしてみました。
故事成語初出年意味
挙国一致隠公元年(前722)国民全体が一致して同じ態度をとる
菟裘ときゅう隠公十一年世を退いて余生を送る場所。官を辞して隠棲する地
德を度り力を量る隱公十一年為政者が人々に信頼される人格と行政能力をもっているかどうかを推し量る
大義滅親隠公十四年君主や国家のためには親子の情をもかえりみない
玉を懐いて罪あり桓公十年分不相応のものを持つとわざわいを招く
城下の盟桓公十二年城下まで敵に攻め寄せられ講和を結ぶ
ほぞを噛む荘公六年後悔する
長享荘公十年日本の元号。1487-89年
禍に臨みて憂いを忘れば憂い必ずこれに及ばん荘公二十年災禍に臨みながらもそのつらい思いを忘れてしまうようではあとでとんでもない心配ごとが起こる
酖毒閔公元年猛毒
風馬牛僖公四年自分とは関係ない
一薫一蕕いっくんいちゆう僖公四年善人が悪人にやられてわざわいが長く残る
唇亡びて歯寒し僖公五年助け合う仲の一方が滅びると他方も危なくなる
唇歯輔車僖公五年持ちつ持たれつ
善敗己に由る僖公二十年良いも悪いも自分次第
蒙塵僖公二十四年天子が都から逃げ
玉趾を挙ぐ僖公二十六年貴人が来る
東道の主僖公三十年主人として来客の世話をする
墓木已に拱す僖公三十二年この死にぞこないめ!
帰元僖公三十三年
敵愾文公四年君主の憤りをはらそうとする
愛日文公七年冬の日
畏日文公七年夏の日
言葉なお耳にあり文公七年以前に聞いたことばが今でも耳に残る
八愷はちがい文公十八年心が清く正しく徳の高い人。八元に同じ
八元文公十八年心が清く正しく徳の高い人。八愷に同じ
済美文公十八年よいことをする
董狐の筆宣公二年権力を恐れずに真実を発表する
魑魅魍魎宣公三年化け物いろいろ
かなえ軽重けいちょうを問う宣公三年その人の価値や能力を疑う→足元を見る
食指が動く宣公四年人差し指→食欲がわく
染指宣公四年ものごとを始める
野心宣公四年分不相応の大きな望み
肉袒宣公十二年降伏
七徳宣公十二年軍事の七つの徳→平和で繁栄のいいことづくめ
草を結ぶ宣公十五年恩に報いる
楚囚成公九年(前582年)囚人
二豎にじゅ成公十年(前581)病気
病膏肓やまいこうこう成公十年(前581)不治の病
勧善懲悪成公十四年悪は亡びる
菽麦しゅくばくを弁ぜず成公十八年愚かでものの区別がつかない
百年河清を襄公八年いくら待ってもむだ
杖るは信に如くはなし襄公八年たよれるのは信義だけ
安に居て危を思う襄公十一年いつでも危機に備えるのが大切だ
推輓すいばん襄公十四年おすすめ
貪らざるを以て宝となす襄公十五年無欲が自分の宝
南風競わず襄公十八年南方の勢力が弱い→威勢がない
禍福は門なし襄公二十三年幸不幸は自分が招く
慎始敬終襄公二十五年手抜きせずにやり抜く
太史の簡襄公二十五年記録
抜本塞源昭公四年根本原因を抜きとって弊害を元からなくす
興国昭公四年国の勢いを盛んにする
尾大掉わず昭公十一年上司が弱く部下が強いと仕事の発展はむり
末大必ず折る昭公十一年部下が強大になると上司は必ず滅びる
三墳五典昭公十二年古代の書
八索九丘昭公十二年こちらも、古代の書
善に従うこと流るるがごとし昭公十三年よいと思ったらすぐやる
寛政昭公二十年寛大な政治
牛耳を執る定公八年同盟の盟主となる
藩屏はんぺい定公四年垣根
三度肘を折って良医となる定公十三年苦しい体験を積んで味のある人になる
良禽択木哀公十一年賢い部下は親分を選んで仕える
心腹の疾哀公十一年強敵
獲麟かくりん哀公十四年(前481)終わり

  成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

だんだんよくなるほっけのたいこ【だんだんよく鳴る法華の太鼓】むだぐち ことば

  成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

現代でも知られたむだぐちです。

情勢がだんだん好転してくるというのを、「なる」→「鳴る」から太鼓の音に引っ掛けたもの。「だんだん」は「どんどん」のダジャレです。

江戸では法華宗(日蓮宗)信者が数多かったので、お題目を唱えながら集団で太鼓を打ち鳴らし、町中を練り歩く姿は頻繁に見られたもの。

「だんだん」には、「ドンツクドンドン」と遠くから法華大鼓(団扇太鼓)の音が聞こえてきて、近づくにつれ徐々に大きく響くさまも含んでいるでしょう。

  成城石井.com  ことば 噺家  演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席

あいはこうやにござります【藍は紺屋にござります】むだぐち ことば

 落語ことば 落語演目 落語あらすじ事典 web千字寄席

「あい」は主に幼児語で、返事や同意を示す感動詞。これに染料の「藍」を掛け、さらにそこから紺屋を出したまぜっかえしの言葉です。

子供同士の他愛ない言い合いでよく聞かれ、雑俳にも「おちゃっぴい あいは紺屋に…」とあります。

「あい」は関東、「はい」は関西起源とされますが、英語でも挨拶の”Hi”が訛って”Ai”となったりするので、そのあたりは人類共通のものがあるようです。

「藍」に掛けた用例は「藍は紺屋の使い物」など。変形で「鮎(あい)」を使った例も、「鮎が高けりゃ鰯を買え」など、多数流布しています。

つくばい【蹲】ことば

  成城石井.com  ことば 演目  千字寄席

原義は犬猫が前足を地面に突いてしゃがむ意味のようで、だから「突く+這う」というわけです。

「犬つくばい」という複合語も古くはありました。

今はカットされることが多いですが、『仮名手本忠臣蔵』二段目「建長寺の場」で、高師直(=吉良上野介)にはずかしめを受けた桃井若狭助が、明日は殿中で師直を討ち果たすと息巻くので、お家には変えられないと、師直にこっそり賄賂を届ける決心をした家老、加古川本蔵。主人に「もし相手が、犬つくばいになってわびたら斬るのを思いとどまるか」とカマをかけます。

今で言う土下座で、絶対権力者である師直がそんな恥知らずなマネをするはずもないのですが、実際は次の三段目「喧嘩場」前半で、本蔵の賄賂が功を奏して師直が、なんと本当に犬つくばいになってご機嫌取りをしたので、若狭助が呆れて斬るのを思いとどまるという場があります。

この語は派生語も多く、動詞で「つくなむ」「つくばる」とも。転じて庭の手水鉢のある場所、また手水鉢そのものを「つくばい」と呼びました。

古い江戸語で「因果のつくばい」という慣用句がありましたが、これは「運の尽き」を意味する強調表現で、「突く=尽く」という、単なるダジャレ。

しかし、いかに円生、彦六といえど、いくらなんでもこんな古い言葉は知らなかったでしょうね。

  成城石井.com  ことば 演目  千字寄席