落語でお江戸を覗く。

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蔦重おもしろい。
日曜劇場『御上先生』(TBS系)はおもしろいけれど、その前にやっている大河『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)はもっとおもしろい。蔦重が毎回発する地口(=しゃれ)、これが気になります。第1回のタイトルはその名も「ありがた山の寒がらす」。第2回では「かたじけなすび」が登場し、第5回では「濡れ手に粟餅」が聞こえて、といった具合。1770年代の吉原が舞台です。当時の日本は銀が枯渇しても津々浦々に経済的余剰がいきとどきすぎて、田沼バブルの真っ最中。万事にぎやかなお江戸です。寄席はといえば、その誕生は寛政10年(1798)とされていますから、蔦重は落語には間に合っていません。でも、その萌芽はニョキニョキと。地口、軽口、秀句、無駄口(=しゃれ)のかまし合いが見て取れます。しゃれのキャッチボールで、憂き世のきつさを笑い飛ばしてたんでしょうね。
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千字寄席編集部 (高田裕史/古木優)
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このページは2025年2月16日に更新されました。
