落語がまるわかり

むだぐち ことば  落語演目 【RIZAP COOK】

江戸を知るには春画もありかも。

江戸が覗ける『歌麿春画で江戸かなを学ぶ』(中央公論新社、2021年3月25日刊)

落語に描かれた江戸は、いわゆる「江戸」です。実際の江戸とも言い難い姿で、お約束やご了解がべたべた張られたパラダイムという風景。

ならば、浮世絵はどうでしょう。春画ではいかがでしょう。

悪くないかも。ハードルが高そうですがね。だいいち、手に入りにくいし。絵面に記されたくずし字が読めません。困ったあ。

ところが最近、『歌麿春画で江戸かなを学ぶ』(中央公論新社刊)なる本が出ました。知の版元がよくもこんなたわけたものを。編集者の顔が見てみたい。

この本には、歌麿の春画本の中の『ねがひの糸ぐち』『艶本 葉男婦舞喜(はなふぶき)』『艶本 床の梅』が載っていまして、書き入れ(絵の周辺に書かれた男女のセリフ)がすべて活字化されて、だれでも中身がわかるのです。男女の睦言が。

ここに描かれた男女の交情に漂う江戸の匂い。なんとかぐわしいこと。落語では見えてこない江戸が見えてきます。春画は「笑絵」とも言われます。笑っちゃえるのです。オチがある落語の笑いとは少々異なりますが。ここには笑える種がしっかりちりばめられているのです。

この本、春画をたのしみながら江戸かな(くずし字)をマスターしてしまおうという一挙両得なやつ。読み終えたら、あのミミズ文字がいとおしくなってきました。おすすめです。

2021年4月9日 古木優

web千字寄席の中身は

■落語というツールを使ってこの国の細部や機微を覗いてみましょう。このサイトで紹介する落語の演目は450席。演目ごとに、およそ千字のあらすじと、知っておきたい知識を深くわかりやすく掲げてあります。下段の「落語演目の索引」ボタンから演目を探してください。落語を聴いていて生じた「?」にお答えします。耳に残った人名や言い回しを右の検索窓に入力しても項目が出ます。かゆいところに手が届いた知恵と知識が満載のはずです。しかも日々更新しています。す、すごい! 敬称略。

千字寄席編集部 (古木優/高田裕史)

【RIZAP COOK】

もくじ】