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千字寄席編集部 (古木優/高田裕史)

石刷りの曼荼羅

読売新聞の三遊亭円朝の死去を伝える記事に、ちょっと気になる記述がありました。円朝の遺骸が安臥された部屋の床の間には「石刷りの曼荼羅」が掛かってあった、と。

▲昨日の圓朝宅 ヘハ門人其他弔問の客集り來りて門前市をなしたるが、遺骸ハ十畳の座敷に安臥せしめ床にハ石刷りの曼荼羅を掲げ、弔問者交る交る焼香し居たり

(読売新聞1900年8月12日付)

これを読んで、「へえー、円朝は法華の信徒になってるんだ」「座禅やめちゃったんだ」と感じた人はどれほどいたのでしょうか。

そりゃあ、たくさんいたことでしょうよ。「石刷りの曼荼羅」なんて、現代以上にその頃の方が一般的だったでしょうから。

石刷りとは拓本のことです。曼荼羅は座禅を旨とする臨済宗などではあまり聞きません。曼荼羅といえばやはり密教系の真言宗か天台宗でしょう。円朝は密教とは無縁です。

ならば、「大曼荼羅」と呼ばれるもの。「南無妙法蓮華経」の七文字が真ん中に髭のように記されて、周りにはさまざまな守護神の名前が書かれた、日蓮宗独特のもの。「髭曼荼羅」とも呼ばれている、アレです。

読売新聞の記者がさりげなく記した「石刷りの曼荼羅」とは髭曼荼羅のことだったのでしょう。いやあ、お手柄です。たまには鋭いこと書いてたんですね、読売。

(古木優)

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 敬称略。