成城石井.com ことば 噺家 演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席
「呉越同舟」「臥薪嘗胆」「四面楚歌」……。ことばの奥に潜むストーリーが四字熟語の魅力です。物語の意味を知り改めて四文字の結びつきや組み立ての深淵や芳醇を感じることが四字熟語のおもしろさ。中国では「故事成語」といいます。落語にも通底する魅力です。古人の知恵をさぐりましょう。
あいえんきえん【合縁奇縁】人と人の交わりは不思議な縁によるもの
あきたかくうまこゆ【秋高く馬肥ゆ】
あくいんあっか【悪因悪果】わるい原因にはわるい結果が
あしたにみちをきかばゆうべにしすともかなり【朝に道を聞かば夕に死すとも可なり】
あつものにこりてなますをふく【羹に懲りて膾を吹く】
あとぶつ【阿堵物】
あやうきことるいらんのごとし【危うきこと累卵の如し】
あやまちてあらためざるこれをあやまちという【過ちて改めざる是を過ちと謂う】
あやまてばすなわちあらたむるにはばかることなかれ【過てば則ち改むるに憚ること勿れ】
あらたにもくするものはかならずかんむりをはじきあらたによくするものはかならずころもをふるう【新たに沐する者は必ず冠を弾き新たに浴する者は必ず衣を振るう】
いしにくちすすぎながれにまくらす【石に漱ぎ流れに枕す】
いしょくたりてれいせつをしる【衣食足りて礼節を知る】
いしんでんしん【以心伝心】
いちいたいすい【一衣帯水】
いちじせんきん【一字千金】
いちじつさんしゅう【一日三秋】
いちもうだじん【一網打尽】
いちようおちててんかのあきをしる【一葉落ちて天下の秋を知る】
いちようらいふく【一陽来復】
いつをもってろうをまつ【佚を以て労を待つ】
いっきょしゅいちとうそく【一挙手一投足】
いっけんかたちにほゆればひゃっけんこえにほゆ【一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ】
いっしょうこうなってばんこつかる【一将功成って万骨枯る】
いったんのしいっぴょうのいん【一箪の食一瓢の飲】
いっていじをしらず【一丁字を識らず】
いっぱいちにまみる【一敗地に塗る】
いっぴんいっしょうをおしむ【一嚬一笑を愛しむ】
いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし【一夫関に当たれば万夫も開く莫し】
いちもってこれをつらぬく【一以て之を貫く】
いんがおうほう【因果応報】善行には善報が、悪行には悪報が
がんこうしはい【眼光紙背】文字づらばかりか文章の深意を知る
がんこうしゅてい【眼高手低】口ほどにもない 談志
かんしょうばくや【干将莫邪】伝説的な名剣
きゅうぎゅうのいちもう【九牛一毛】取るに足りない
けいぐんのいっかく【鶏群一鶴】凡人の中に一人傑物がいる
こうこうのしつ【膏肓之疾】不治の病
こうてんしんなくただとくをこれたすく【皇天親なく惟徳を是輔く】天は徳人を助ける
せきあくのよおう【積悪余殃】悪を積んだ家ではその悪報が子孫に
せきぜんのよけい【積善余慶】善を積んだ家ではその余徳が子孫に
ぜんいんぜんか【善因善果】よい原因にはよい結果が
そうじょうのじん【宋襄之仁】いらぬ気遣い
たざんのいし【他山之石】他人の悪行を見て自己の向上を図る
ちみもうりょう【魑魅魍魎】化け物いろいろ
ちんけんへいも【椿萱並茂】両親が健在
ゆうずうむげ【融通無碍】のびのび 志ん生
ようしほうこう【雍歯封侯】部下を安心させるには嫌いな者をまず抜擢する
参考文献:『中国故事物語』(後藤基巳ほか編、河出書房新社、1972年)、『中国名言物語』(寺尾善雄著、河出書房新社、1972年)、『日本故事物語』(池田弥三郎著、河出書房新社、1967年)、『中国の故事と名言五〇〇選』(駒田信二ほか編著、平凡社、1975年)、『新明解四字熟語辞典』(三省堂編修所編、三省堂、2010年)、『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部編、岩波書店、2002年)、『大漢和辞典 修訂第二版』(諸橋轍次編、大修館書店、1989-90年)