【生姜なければ茗荷がある】しょうがなければみょうががある むだぐち ことば 落語 あらすじ
「しょうがない」というあきらめのことばに対するまぜっ返し。「しょうがない」と「生姜」を掛け、「生姜がなければ代用品の茗荷があるだろう」と茶化しています。
「茗荷」はかなり紋切り型ですが、「冥加」と掛けたしゃれ。冥加は仏の恩恵のことで、この場合は「しょうが(=生姜)なくても、まあなんとかなるんじゃないの」くらいの感じでしょう。
似た言いまわしでは、江戸で古くから使われた「仕様模様」があります。
「仕様」はやり方、手段。模様はこの場合は、仕組むこと、工夫、趣向の意味ですから、ほぼ同じニュアンス。
つまり、同じ音韻、意味を重ねた強調表現。
この後に否定「……がない」が付けば「しょうがない」と同じ意味になります。
もう一つ、ストレートに「しょうがない」を表すむだぐちには「生姜苗(=ねえ)茄子苗(=ねえ)田無の市」があります。
これは、「ねえ」という否定と「苗」を掛け、江戸郊外の苗市を出したしゃれです。
「茄子」はもちろん「しょうがなす」→「しょうがない」のダジャレでもあります。