これは将棋で、王手に対しての相手の「待った」を許すときのむだぐちでしょう。元ネタは能楽の三番叟で、後半の狂言方のセリフ「元の座敷へ重々とお直り候え」をもじったもの。「落ち着いて元の場所に駒を戻しなさい」といったところ。
「待った」というものは、オファーしただけでチェスでは即負け。碁将棋でも本来許されるものではありません。それをあえて許し、妙に仰々しい文句でうながすところに、勝者の余裕と鼻持ちならない侮蔑の念がうかがわれます。
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