心得た、腹に呑み込んだから安心しろというのを、幾分おどけてむだぐちで言ったもの。しゃれとしては、ただ「こころえた」の「た」からたぬきを出しただけ。
「腹鼓」には、胸をたたいて請け合う意味を含めたのでしょう。「心得た」のしゃれことばは多く、ほとんどが同じパターンです。例をいくつか挙げておくと、「心得たんぼ」(「お休みの江に月は入りけり」の解説参照)「心得太兵衛」「心得玉子のふわふわ」「心得太郎兵衛のばばさま」「心得ましたと木綿四手(ゆうしで)の」などなど。むだぐちの締めに「狸の腹鼓」とした例は「面白狸の腹鼓」がありました。