おじゅんでんべえはやまわし【お順伝兵衛早回し】むだぐち ことば

 落語ことば 落語演目 落語あらすじ事典 web千字寄席

江戸時代、酒席でよく使われた洒落。「お順に早く盃を回しましょう」の意味で、浄瑠璃「近頃河原達引」の登場人物「お俊伝兵衛猿回し」をもじったもの。

通称「お俊伝兵衛」は天明2年(1782)ごろ初演で、井筒屋伝兵衛と京都先斗町の近江屋抱えの遊女お俊の心中と、猿回し与次郎の孝行物語をからませています。お俊の「そりゃ聞こえませぬ伝兵衛さん」の悲痛なセリフは有名で、明治大正までは誰もが知っていました。

昭和初期、衆議院議員の堀切善兵衛が代表質問に立ったとき、小声で聞き取れなかったので、すかさず議場から「そりゃ聞こえませぬ善兵衛さん」とヤジが飛んだという逸話があります。かつては政治家でも粋でした。

【語の読みと注】
近頃河原達引 ちかごろかわらのたっぴき

スヴェンソンの増毛ネット

コメントを残す