【志ん生のひとこと004】しんしょうのひとこと004 志ん生雑感 志ん生! 落語 あらすじ
志ん生の弟子に自衛隊の衛生兵(?)出身の古今亭志ん駒(徳永一夫、1937-2018)がいました。この人の証言はけっこう残っています。
志ん駒の話を再現してみましょう。
それから師匠はよく西部劇の歌を唄っていましたよ。スティーブ・マックイーンの「拳銃無宿」。(中略)「あれ? 師匠、何を唄ってるんですか?」
「腰のぉ~拳銃ぅ~だてには撃たず~、なっ」
す、すごい! 志ん生が西部劇を見てたなんて。
でも、この証言は「ララミー牧場」の誤りかと思います。「腰の拳銃は、だてじゃない」という、アレでしょうから。ただし、おそらく、当人には区別が付いていないでしょう。そこがおもしろいわけでして。
高田裕史
※参考文献:岡本和明『志ん生、語る。―家族、弟子、咄家たちが語る内緒の素顔』(アスペクト、2007年)