【志ん生がなりすまし】しんしょうがなりすまし 志ん生雑感 志ん生!志ん生雑感 志ん生! 落語 あらすじ

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志ん生がらみのことで、麻生芳伸さん(1938-2005)からしか聞いたことのない話があります。

志ん生が柳家甚語楼だったころのことでしょうか。

人気絶頂の初代柳家金語楼(山下敬太郎、1901-72)と同宿していたんだそうです。

金語楼は連日、寄席に引っ張りだこ。甚語楼はお声がかからず、部屋でくすぶる。金語楼の下流に甘んじる甚語楼。

そんな構図だったようです。でも、二人は仲良かったんだとか。

ある日。

金語楼がいつものように寄席に行く支度をしていたら、甚語楼が金語楼を縄でぐるぐるに縛ってしまいました。

甚語楼は金語楼の着物を着て、「柳家金語楼」になりすまして高座に出たんだそうです。

テレビもなかった時代。甚語楼が金語楼を騙って高座に出ても、客は「いつもとちょっと違うなあ」くらいで通っちゃったのですかね。

こんな仕儀がまかり通ったとは。のんきなもんです。昭和4年(1929)ごろのお話でした。

古木優



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