先日、五反田のとあるビルで、落語を聴きました。
立川半四楼と立川談慶の、です。
半四楼は45歳の前座だというのがウリでした。
しかも。
東大出て、間組、三菱商事で海外駐在経験あって、スペイン語ができるんだそうです。なんだか、すごいです。
前座ですから、噺そのものはうまいわけではありませんでした。
でも、一生懸命やってて、なんの噺か忘れましたが、頭から湯気が出てる雰囲気でした。
その気迫というか一途な熱演に、近頃見ない風景に心動かされました。
落語家はたんにはなしの巧拙ばかりではなくて、このような「余芸」も芸の内で、これをも含めたすべたが落語家なのでしょう。
明治から、そんな落語家はうじゃうじゃいました。
会では、談慶師が「文七元結」を熱演したのですが、私はよく覚えておらず、この45歳の前座さんに強烈な印象を受けた次第。
談慶師も慶應義塾大学経済学部を出た元ワコールですから、これはこれでお見事です。
「お互い学歴の無駄遣いをしているね、と楽屋なんかよく言うんです」とは、談慶師の弁。自慢ですかね。落語会の土産話となりました。
立川半四楼、前座、45歳、東大卒。
このかましかたは、船出としてはとりあえず大成功かもしれません。
ところで、現在、日本には落語家と称する人たちは何人いるのでしょうか。数えてみました。
落語協会 305人
落語芸術協会 180人
三遊一門会 58人
落語立川流 58人
上方落語協会 280人
総計 881人 2019年11月23日現在
ざっと900人弱、というところですね。日本相撲協会所属のお相撲さんは900人弱だそうですから、いい勝負です。
東京の落語家がざっと600人、関西の落語家がざっと300人、という具合です。ほかに、名古屋、仙台、金沢もの若干名いるそうですが、「ざっと900人」の中に入れ込める人数です。
ただいま、落語家は900人、です。すごいなあ。
古木優