【鉄面皮】てつめんぴ ことば 落語 あらすじ
文字通り鉄でできた仮面(武具)を着けたように、ずうずうしく、恥を恥とも思わず平然としていることです。
形容動詞化してよく使われ、「鉄面皮な」「鉄面皮だ」と、もっぱら悪口に使われます。
「面の皮が厚い」とも。
人からどんなに非難の目を向けられようと、兜の面をかぶったように、平気で跳ね返してしまう人間はよくいます。
「鉄面牛皮」ということばもあって、こちらは「きわめてあつかましい」の意。
江戸時代には、鉄に匹敵するもの、いや、それ以上のものはというと牛の皮だった、ということでしょうか。
江戸時代からあった表現です。
おもしろいのは、かつては「鉄面だ」という形で、剛直、権威や権力を恐れないという、肯定的な意味があったふしがうかがえることです。
「悪党」のようなものでしょうか。
「鉄面牛皮」はもうとっくに死語ですが、昭和の末期ごろまでは普通に使われていた「鉄面皮」も、いつの間にかあまり聞かれなくなったようです。