【とどのつまり】とどのつまり ことば 落語 あらすじ
「とど」というのは、ボラ(魚)の成魚のこと。
ボラはいわゆる出世魚で、オボコ、イナッコ、スバシリ、イナ、ボラ、トドと名が変わり、トドが最後の「留め名」です。
噺家でいえば円生、役者なら團十郎というところ。
つまり、人間にとっては、太ってもっとも食べごろになった状態です。
そこから派生して、それ以上はない、ぎりぎり、限度という意味が付きました。
「つまり」も同義語で、「最終的に」「結局は」という意味ですから、「とどのつまり」は言葉の重複、というより、「とど」が「つまり」をより強調した形になります。
別の語源説では「とど」は「到頭(とうとう)」が短縮されたものとも言います。
「とど」単独では、主に歌舞伎台本で、セリフの応酬から場面が転換する切れ目に、締めくくりをつけて新たな展開を準備するため、地で説明する部分がよくあります。
それが「ト書き」で、「ト」は「トド」の略。
古くは日常でも「結局」の意味で使われ、芝居の影響で人情噺、芝居噺でもよく用いられましたが、昭和57年(1982)に亡くなった八代目林家正蔵(彦六)を最後に、もう高座でも死語と化したようです。