【血の道】ちのみち ことば 落語 あらすじ
女性特有の病気の総称。
身体的には男女を問わず血管をさしますが、芝居や落語では、広く血行障害に起因する女性特有の病気の総称のこと。
主に、産褥時や生理時、また、更年期障害の一症状として血行不良が起こり、その結果生じる、頭痛、目まい、精神不安定などの症状を、すべてこう呼びました。
これは、漢方医学では、到底病因や疾病の特定が不可能なため、致し方なく、なんでも「血の道の病」とされていたからでしょう。男の「疝気」や「腎虚」と同じようなものです。
「東海道四谷怪談」(四世鶴屋南北)で、出産直後のお岩が悩まされるのがこれでした。
伊藤喜兵衛(高師直の家臣)が、田宮伊右衛門(お岩の夫)を、孫娘お梅と添わせたいばかりに、じゃまになるお岩を「血の道の妙薬」と称した毒薬で殺そうとしたのが、すべての悲劇の発端となります。