【口ばかりの烏賊の塩辛】くちばかりのいかのしおから むだぐち ことば 落語 あらすじ
烏賊の嘴だけで塩辛をこさえたって、食えたもんじゃない、無意味だというところから、口先ばかりの相手ををピシャリ。
「いか」は「いかさま」と掛けていて、インチキ、嘘つきを匂わせています。
実際は、動物学的には烏賊に嘴はないのだそうで、俗にそう呼ばれているのは潮の排出部分だとか。
それでも、「いかくちばし」は食通には珍重され、中身は干物にすると珍味です。
とまれ、烏賊なら刺身でもなんでもよかったのに、なぜわざわざ塩辛としたのか、「のしおから」の5音が必要だったのですね。
「のさしみ」の4音よりも言いやすいわけで、語呂のよさからきています。
烏賊が潮や墨を吹き出すように、口から出任せ出放題いう揶揄も隠れているのかもしれません。
「しおから」から「トンボ」を連想、トンボには隠語で愚か者、泥棒という意味もあるのでそれを利かせたのか。
そこまでいくとうがち過ぎですかね。