【冷ましてたんとお上がり】さましてたんとおあがり むだぐち ことば 落語 あらすじ
成城石井.com ことば 噺家 演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席
わざとらしくおだてられたとき、「なんとでもお言い、せいぜい冷やかしなさい」と拗ねた言い返し。
本気でむくれている場合と、からかっちゃあいけねえと多少照れて言う場合があります。
「冷やかすな」の逆表現で、「茶でも酒でも冷やしてお飲み」というアイロニー。
これは天明期(1781-89)ごろの、遊里の色模様を扱った洒落本によく出典が見られるので、やはりそちら方面の通言が出自でしょう。
いかにも、客か花魁が痴話げんかのときに使いそうな、むだぐちです。
「茶にする」「酒にする」は、茶化す、からかう意味があり、「冷ます」自体にも「けなす」「悪く言う」という用例があるので、かなり微妙な思惑も含まれていそうです。
第二の意味として、惚気けられたときに「ごちそうさま」と突き返す意味でも使われました。
別表現に「冷まして食え」などがあります。