【踵が頭痛病んで頭へ疝気がのぼる】かかとがずつうやんであたまへせんきがのぼる むだぐち ことば 落語 あらすじ
成城石井.com ことば 噺家 演目 志ん生 円朝迷宮 千字寄席
とうていあり得ないことをコミカルにむだぐちにしたもの。
不可能を表すたとえは「煎り豆に花」「石が流れて木の葉が沈む」などがありますが、なんでもありのご時節、踵が頭痛病むくらいでなければ、誰も驚かないでしょう。
五代目古今亭志ん生の小咄に、胴と足が別々のところに奉公して……というのがあります。
落語こそ、動物はおろか、ナマ首まで口をきき、自分の頭の池に飛び込む異次元世界です。
ちなみに、西洋ではこういうのを「奇蹟」と呼びます。
『ノートルダム・ド・パリ』でビクトル・ユゴーが描く15世紀のパリには「奇蹟通り」と呼ぶ怪しげな一角がありました。
日が落ちると必ず「奇蹟」が起こり、歩けない人が駆け出し、目が見えない人がぱっちり目を開きます。
それからみんなそろって追い剥ぎに「変身」するわけですが。
もっとも、もうひとひねりして、「足が目を開け目が走り出す」くらいでないと、このむだぐちのレベルには達しません。