【うっちゃって置け煤掃きには出る】うっちゃっておけすすはきにはでる むだぐち ことば 落語 あらすじ


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「うっちゃって」はラ行五段活用の動詞「打っ棄る」「打っ遣る」の連用形。

「かまわないから放っておけ」と突き放す言い方に「すすはきには出る」と付け、ことば遊びにしたもの。

明和7年(1770)の『辰巳之園たつみのその』にそのまま男の台詞で出ています。

深川遊郭を舞台に男女の色模様が描かれてはいますが、これは洒落本。

有名な『春色辰巳園しゅんしょくたつみのその』は天保年間の人情本です。 文学史的には、洒落本が通人の文学なら、人情本は「いき」「はり」の文学とされています。

互いに50年ほどの時代差もありますから、心の表現に差異が出るのも当然です。

時代が下ると「通」もさらに洗練されて「いき」の境地に届くのでしょうか。

洒落本『辰巳之園』はいまだ「いき」の洗練まではありません。

洒落ことばで遊んでいるだけで。

人情本にいたると男女の色恋に妙な意気地や反語が出張ってきまして、やがては円朝や黙阿弥にいたれば、さらに複雑かつ霊妙な男女の心持ちが表現され、維新後は近代主義のがま口にのみこまれていくのです。

参考文献:『洒落本集成』第4巻(中央公論社、1977年)

「煤掃き」は大掃除で、何か大切なものをなくしたとき、「どうせ暮れの大掃除には出てくるから」と慰める形ですが、この場合、大掃除うんぬんは付けたりで、ただ茶化すために付けているだけでしょう。

「柳田格之進」では、武士の客が盗んだ疑いを掛けられた五十両の金包みが、煤掃で本当に見つかって、上へ下への大騒動になります。


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