【お気の毒や蝿の頭】おきのどくやはえのあたま むだぐち ことば 落語 あらすじ
「おや、へえ、お気の毒に」という、同情の言葉とは裏腹な、文字通り毒を含んだ冷やかし。
蝿の頭には毒があるという俗信から、「気の毒」と掛けてこう続けたものです。
このへらず口は明和年間(1764-72)の初め、新興の深川遊郭が発祥で、それからしばらく大流行しました。
「お気の毒」のむだぐちでは、ほかに「お気の毒の人丸さま」があります。
これはダジャレで、「おきのどく」と、万葉歌人の柿本の人丸(=人麿)の「かきのもと」を無理やり引っ掛けただけ。
『東海道中膝栗毛』では、相手の「さりとてはお気の毒な」を受ける形で「ナニお気の毒の人丸さまだ? イヤ四斗樽さまが(聞いて)あきれらァ」と、さらにダジャレでまぜっ返しています。