【志ん生のひとこと 003】しんしょうのひとこと003 志ん生雑感 志ん生!志ん生雑感 志ん生! 落語 あらすじ
それで文楽師匠が「孝ちゃん、その着物ウールかい」って言ったら、志ん生が「売らないよ」って答えるんです(笑)。
古今亭志ん駒のインタビュー
聞き手は吉川潮氏。2006年1月11日
KAWADE夢ムック『古今亭志ん生』(河出書房新社、2006年)より
■「孝ちゃん」とは、もちろん五代目古今亭志ん生(美濃部孝蔵、1890.6.5-1973.9.21)のこと。志ん生が体調不良のときに、八代目桂文楽(並河益義、1892.11.3-1971.12.12、黒門町、実は六代目)がウイスキーなんかを持ってお見舞いに来るんだそうで、そのときの会話を、弟子の古今亭志ん駒(徳永一夫、1937-2018)が語っています。志ん生の天性のおかしさがみじみでていますね。そういえば、何年か前に「明神下神田川」で鰻を堪能した折、二階の踊り場に志ん生と文楽のツーショットが飾ってありました。それが左上の写真です。店主が言うのには、文楽はよく利用してくれたけど、志ん生はめったに来なかったんだとか。昭和31年(1956)12月に志ん生が「お直し」で芸術祭賞を受賞したお祝いに、文楽が招いた折の写真だとうかがいました。文楽と志ん生はなかよしだったのですね。
2023年9月27日 古木優