【安芸の宮島廻れば七里】あきのみやじままわればしちり むだぐち ことば 落語 あらすじ
「飽き」と「秋」を掛け、秋風が吹く頃、冷気が身にしみるように、男女の情愛がすっかり冷めきってしまうこと。
それに地名の「安芸(広島県)」をさらに掛けた、和歌では紋切り型のパターンです。
「安芸の宮島……」は、宮島(厳島)三島めぐりの有名な民謡そのままで、「浦は七浦七恵比寿」と続きます。
厳島神社の祭神は「宗像三女神」と呼ばれる田心姫命、湍津姫命、市杵島姫命の女神三柱なので、この戯言の「飽き」が色事の結果なのは明(=安芸)らかですね。
江戸ではこの後に「気がもめ(=駒込)のお富士さん」と付けてダメを押します。
宗像大社は三つの神社で成り立つ複合神社です。宗像氏は安曇氏とともに海の民でした。
安曇氏は出雲族と手をむすんだため、出雲王国が崩壊する際、海の民を捨てて信州の山間にこもりました。
一方の宗像氏は天皇家と手をむすび、今日まで栄えたのです。
交通、商売、交流、繁栄をつかさどる人々です。大陸との橋渡しもしてきました。
宗像大社は以下の三つの社の総称です。
沖津宮 田心姫神(タゴリヒメ)
中津宮 湍津姫神(タギツヒメ)
辺津宮 市杵島姫神(イチキシマヒメ)