てっか【鉄火】ことば



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もとは文字通り、鍛冶職人が用いる、真っ赤に熱した鉄のこと。

そこから、さまざまなことばが派生しました。

人間の気質でいえば、カッカとなりやすく、始終けんか腰の勇み肌を鉄火肌と呼びます。

火事場のように命がけの勝負をする博打場を鉄火場とも。

落語に登場する「鉄火」は、もっぱらこうした博打場、または博打打ちです。

博打打ちだった三代目桂三木助の十八番に「竃幽霊」がありますが、その後半で、かまどに隠した三百円の金に気が残って化けて出る左官の長五郎の幽霊。

その自己紹介で、「あっしゃあ、シャバにいたときには、表向きは左官屋だったんですが、本当を言うと向こうぶちなんです。白無垢鉄火なんですよ」

ここで言う白無垢とは、素人、かたぎのこと。

つまり、表向きは善良な職人でも、裏の顔は鉄火、今でいう「反社」ということですね。

【語の読みと注】
竃幽霊 へっついゆうれい
白無垢鉄火 しろむくでっか



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やなぎやこはん【柳家小はん】噺家

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【芸種】落語
【所属】落語協会
【入門】三代目桂三木助(小林七郎、1902-61)に入門
【前座】1960年4月、桂木久弥で。1961年3月三木助の死没で五代目柳家小さん(小林盛夫、1915-2002)門下、柳家さん弥に
【二ツ目】1964年10月
【真打ち】1973年9月。75年3月、二代目柳家小はん
【出囃子】並木駒形
【定紋】剣片喰
【本名】渡辺研三
【生没年月日】1941年12月18日-2022年4月25日 膵臓がん
【出身地】東京都足立区
【学歴】東京都立上野高校
【血液型】A型
【ネタ】
【出典】落語協会HP 柳家小はんWiki 
【蛇足】2022年4月25日、膵臓がんで死去。80歳。初代小はん(鶴見正四郎、1873-1953)は三代目柳家小さん(豊島銀之助、1853-1930)門下で、大正末期に八代目林家正蔵(岡本義、1895-1982)、五代目古今亭今輔(鈴木五郎、1898-1976)たちといっしょに革新派を結成した人。二代目登場まで40年以上も空白の名跡でした。またも空白になってしまいました。南無。

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