さんゆうていしうか【三遊亭志う歌】噺家

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【芸種】落語
【所属】落語協会
【入門】2004年8月、三遊亭歌武蔵に
【前座】2005年8月、三遊亭歌ぶと
【二ツ目】2008年11月、三遊亭歌太郎
【真打ち】2020年3月、三遊亭志う歌
【出囃子】ベロベロの神様
【定紋】右二つ巴
【本名】磯部成伸
【生年月日】1982年7月7日
【出身地】東京都大田区
【学歴】二松学舎大学中退
【血液型】A型
【ネタ】大工調べ 夢の酒 居残り佐平次 文七元結 明烏 寝床 磯の鮑 鼠穴
【出典】公式 落語協会 Wiki
【蛇足】趣味は筆ペン、宇宙、北海道、水泳、飲酒。遅刻でしくじり。2013年、第23回北とぴあ若手落語家競演会大賞。2013年、第3回池上落語会大賞。2017年、平成29年度NHK新人落語大賞大賞(磯の鮑)。



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さんゆうていいおり【三遊亭伊織】噺家

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【芸種】落語
【所属】落語協会
【入門】2012年7月、三遊亭歌武蔵
【前座】2013年11月、三遊亭歌むい
【二ツ目】2016年11月
【真打ち】
【出囃子】吉兆廻し
【定紋】二つ巴
【本名】永田岳郎
【生年月日】1987年5月1日
【出身地】神奈川県大和市
【学歴】桜美林高校→玉川大学農学部
【血液型】AB型
【ネタ】
【出典】公式 落語協会 Wiki
【蛇足】趣味はゲーム、料理、野球観戦、読書、笛などの鳴り物。2021年10月、大和市文化芸術未来賞。柳家圭花と「圭花 伊織の国語Ⅰ」



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第619回 TBS落語研究会 寸評 2020年1月21日

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紙入れ 三遊亭わん丈 ★★

姦婦姦夫の濡れ場を、羽織の裏を布団に見立ててマイクにかぶせる新演出?が、かなりウケた。当人は落語史上記念すべき金字塔と自画自賛していたが、それほどのもんじゃなし。その他、笑ってくれないと楽屋うちで評判らしい研究会の客を、何とか攻略しようと、師匠譲りの劣化版枝雀、あの手この手奇声連発の涙ぐましい大奮闘。だんなに会う前に鳴り物入で夢の場を作り、うなされるくだりを入れるなど、努力を買って★一つ増し。ただし、「じいさんだから、けんかすりゃ勝てる」のサゲは思い切りスカ。

松竹梅 柳家小志ん ★

いや、こんな惨めな高座をこの席で初めて目撃した。それこそ、マクラからサゲまでたった一度、苦笑(?)らしきしわぶきが聞こえたのみ。完全に蹴られて、当人はこれから自棄酒じゃあるめえかと心配したほど。それもそのはずで、くすぐりは滑りっぱなし。それで焦ったか、字が読めない、ムヒツ、読めない読めないの連呼。後には婆さん婆さん納豆納豆の繰り返し。こういう悪あがきはかえって客を不快にさせるだけだから、やめた方がよろしい。だいいち、こんな古色蒼然たるネタを、いまどきウケさせようとする方が無理。しかも聴いたところ、謡も義太夫も素養はまったくなさそうだから、居直って古風に徹することもできない自縄自縛。お疲れサマ。

寝床 桃月庵白酒 ★★★★★

本日の白眉。終始客をダレさせず、確かな技量に裏付けされた、サービス満点の大熱演。何よりもいいのは、この噺にありがちなだんなのパワハラ的な暴君ぶりを、まったく感じさせなかった点。駄々っ子の幼稚園児のような、だんなの憎めないキャラクターを中心に、幇間じみたお相手の重蔵も、迷惑を被る長屋の面々も鳶頭も、みな承知で「寝床ごっこ」で遊んでいるような雰囲気。そのおおらかで洒落気たっぷりの気分が何ともいい。改めてこの噺には、そういう江戸の遊びの精神が不可欠なのを思い出させてくれる。ギャグとしては、冒頭の壊れたクラリネットのような「発声練習」、神さんが妊娠して来られないはずが豹変して「想像妊娠」、現実を突きつけられても諦めきれずに、今は語らないけど、そこを何とかと繰り返すおかしみ。最後は志ん生型で、義太夫を蔵から語り込む演出も付き、前二席の憂さが雲散霧消。

大工調べ 三遊亭遊馬 ★★★★

噺の前半、客席がほとんどくすりともしなかったのは、「松竹梅」の時と同じ。ただし、決定的に違うのは、この演者が決して変なウケ狙いのくすぐりを使わず、淡々と噺を進めていたこと。その内に溜め込んでいたエネルギーが、棟梁政五郎の胸のすくようなタンカで一気に爆発。前後およそ一分半はあろうかという、早口ながら、言葉はちゃんと粒立ち、まさにお江戸伝統の悪態。あまり惚れ惚れし、速記ができれば残らず書き取って置きたかったほど。もちろん、そこで火が付いたように客席はやんやの大喝采。それも、噺の力の配分が絶妙だからで、与太郎、棟梁、家主のそれぞれの描写も過不足なく見事。ただ惜しむらくは後半のお白洲で、大岡越前に貫目がいま一つ。通常の演出だと、奉行が叱りつけて一度政五郎に残り八百を払わせてから、改めてお呼び出しの手順だが、今回は続けて大家をへこましたので、インパクトに少々掛ける印象。ということで竜頭蛇尾とまではいかないが、惜しみつつ★マイナス1。

柳田格之進 三遊亭歌武蔵 ★★★

いやはや長い。特に後半はダラダラと変な思い入れの間まで置くから、打ち出しが21:15予定なのに、20分ほどもオーバーした。もともとこのお人、ガタイの大きさとガラガラ声が売りで、噺によってはそれがハマるのだが、こういう講釈種の古格な人情噺では、もろに力量が出る。特にこの噺、急に帰参がかなったり、帰参したらしたでなぜ父親が自分で請け出さないのかなど、不自然な設定が多いので、それを忘れさせる圧倒的な芸の力が必要なのだが。全体の演出は故人志ん朝そのまま、くすぐりに至るまでまったく同じで、志ん朝のビデオだと約45分だから、時間的にはそう違わないはず。ではどうしてこうまでダレが残るのか。やはり、親子の情感の表現、人物の動作や人間像の明確さ、畳み掛けるところで一気に畳み掛ける緩急の巧みさ、まあ、比べたら気の毒ながら、すべてが段違いなのだろう。それと、この演者にはどうあがいても、武家の17歳のお嬢様は無理。歌舞伎「妹背山」のいじめの官女のようなどら声では、楚々たる色気も女の情感もあったものでなし。結局、客の疲労感や眠気は、その全てが相俟ってのこと。新宿からの終バスに間に合って、本当によかった。  

高田裕史

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第616回 TBS落語研究会  2019年10月25日 寸評

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2019年10月25日(金) 東京・国立小劇場 古木優

熊の皮 春風亭喜いち ★★

かけあいが平板。周りの客は寝ていた。二つ目なりたてだそうで、話し方には勢いがある。大いに可能性を感じた。噺を選べばよいのかも。登亭

田能久 入船亭扇辰 ★★★★★

マクラで客を引き込んでからは全編息もつかせない。流れる話柄に聴き酔えた。はずれのない噺ながら、客を最後までそらさないのも芸の内だろう。尾花

蒟蒻問答 三遊亭歌武蔵 ★★★★

「甲府い」でも驚いたが、どうしてこんなにうまいのだろう。しっかりした型で大いに見せてくれる。人物描写も自然。映像が湧き出た。のだや

天狗裁き 桂三木助 ★★

さすが小林家。かまない。高っ調子のスピード感ある流々とした話しぶりに酔いたかったが、人物がみんな同じ声帯で興醒め。立体感なくマンガ見てるよう。竹葉亭

たちきり 入船亭扇遊 ★★★★★

ぞくぞくするほど色っぽい。でも自然で。飽きない言葉の選び方に落語の芸の奥行きを感じた。大雨押して参じた甲斐あったというもの。つきじ宮川本廛

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