さいにち

藪入りで実家に帰った奉公人らが、そのお礼参り(かえりもうし=賽)に閻魔におまいりする日。

ですから、藪入りにあたる日をさします。年に2回あります。賽日は藪入りと連動しています。

1月16日(初賽日) =冬の藪入り
7月16日(後賽日) =夏の藪入り

この二つ。

地獄の釜の蓋が開く日とされています。現在、「地獄の釜の蓋が開く」といえば、災いがふりかかる、収拾がつかなくなる、おそろしいことが起こる、といったふううに使いますが、もとは地獄の休日のことでした。だいぶ意味合いが違いますね。

最近よく使われる用法は、本義から見れば誤用です。

西洋の「パンドラの箱を開ける」が災いが飛び出して収拾がつかなくなるの意ですから、これとごっちゃにしているのでしょう。

ただ、「地獄」がつくと、日本人はマイナスなイメージを連想しがちですから、みなさん、なんとなく納得して理解し、使っているのでしょう。ことばって、不思議です。

さて。

この日は地獄の獄卒(鬼など)も仕事を休み、亡者も責め苦を免れて休息するとされています。いいですね。このことにちなみ、人間界でも仕事を休む日とされました。

藪入り(=奉公人の休日)は、かつて住み込みで働いていた小僧や女中が実家に帰ることを許された日です。

賽日と藪入り。働きづめの奉公人を地獄の亡者に見立てているのでしょうか。そう思うと、ちょっとつらいですね。

落語あらすじ事典 千字寄席編集部

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