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【RIZAP COOK】

むだぐち 落語ことば 落語演目

ほかじゃ読めない

4月1日、新型コロナ専門家会議の会見を通しで聴いてみました。よくわかりました。私(古木)の理解する限りではこんなかんじでしたね。今はぎりぎりのところで抑えているが、ちょっと間違えればオーバーシュートも起こり得る瀬戸際状態。これまでは若い世代は軽くて高齢者が重症化すると言ってきたが、わかってきたのはオールジェネレーションで罹患して重症化し得る、ということ。ただ、クラスター潰しが次第にウイルスを捉え始めてきた。クラスター潰しやってるのはシンガポールと日本だけ。米国やイタリアではやってない。日本モデルとも言ってよい伝統芸だ。と、こんなところでした。テレビでのニュースとはニュアンスが異なっていたので驚きました。マスコミの金づるになるように加工された情報が飛び交っているんですね。一次情報の大切さが身に沁みました。ポリオ撲滅で実績豊かな尾身茂氏のことばは重く響きました。感染経路不明というのも蓋を開ければ、おおかたはフーゾク出入りのおっさんおばさん経由ということも明らかに。早い話が、フーゾク=3密、ということなんですね。疫学的な難題でもなさそうでした。そんなこんなで、ウイルス騒ぎは6月までには収まるのではないでしょうか。クラスター潰し、アンジェス開発のワクチンなどが功を奏してくる、ということですかね。とまれ、曙光が見えてきました。

そんなことはともかく。もしあなたが、恭順、逼塞、謹慎でごろごろ、だらだら無聊をかこつ日々ならば、「第620回TBS落語研究会寸評」からお読みください。高田裕史の冴えた批評は膝を打つこと三べん。ほかじゃ読めない、濃くて深い落語愛のこもった記事がお楽しみ。これも叡智、落語的叡智かもしれませんぞ。

志ん生のひとこと】

これがNHK「私の秘密」です。このサンプルから志ん生が出演した時を想像してみてください

志ん生が語る、実録「粗忽長屋」

NHK総合テレビの「私の秘密」に古今亭志ん生が登場したのは、昭和31年(1956)4月26日のことでした。

この番組は、「ジェスチャー」と並ぶ、平日夜ゴールデンタイムの人気クイズ番組でした。

3人の知識人からなるレギュラー出演者(渡辺紳一郎、藤原あき、藤浦洸)と、各界からのゲスト出演者1人の計4人で解答陣を構成。

毎回登場する2組の一般応募者について、世にも稀なるその珍体験の秘密を、司会者(高橋圭三アナウンサー)から与えられるヒントを元に各解答者が探り当てるというスタイルでした。

で、当夜の話題を、志ん生師匠が月刊誌『随筆』(産経新聞社)昭和31年7月号誌上の座談会でおもしろおかしく語っていました。

座談会のメンバーは、徳川夢声、辰野隆、林髞、三遊亭円生、林家正蔵の面々。いやあ、ぜいたく。落語ファンにはたまりませんなあ。

誌面から、あっと驚く珍談を覗いてみましょう。

※読みやすく編集済み

志ん生「その次に二十四、五のスポーツの選手みたいな男っぷりの人が出てきたんですよ」

各人、あなたは船に乗ってしけにあったのかとか、自動車に衝突したのかとか、いろいろ質問をぶつけても、いっこうにわからない。結局、降参で種明かしとあいなります。

志ん生「この人の兄さんという人は競輪に行って穴を当てた。穴が当たったてんで、ウーンとひっくり返って死んじまった。それでまわりの人が身元をしらべて、家までかつぎこんできた。『お宅の兄さんが競輪場でこんなことになりました』。するてえとおかみさん、おっかさんがみんなその変わり果てた姿をみて、ワーっと泣き出した

泣いてても今さら始まらないので、通夜をしている最中に、なんと当のその兄貴がご帰還。

辰野「死んだと思った兄が、別に?」
徳川「『そこつ長屋』通りだね」
志ん生「そうなんです

お通夜の席で、そそっかしい家族がその死人をひとえに兄貴だと思いこんで涙にくれている。

志ん生「ただ親父がすぐ足の裏を見て『これはせがれじゃねえ』っていいました。顔をみてわからなくて、足の裏をみて、これはせがれじゃなっかろうといってるところに、兄貴が帰ってきた。兄貴は競輪場へ行かないてんだ(笑)。それじゃこの死んだ人は、どこの人だろうてんで分らなくなっちまった(笑)

それから警察に届けて、死骸の身元がやっと判明。それが新聞に載って話題に。

ところがこの話、まだ続きがありまして。

志ん生「(番組の終わりに)死んだ人の写真を出してきて見せましたよ。見たら、その兄という人の顔と大変なちがいなんだな(笑)。似てねえんだよ。それが。『これはおまいさん似てないじゃないか、兄さんと』てわけだ。『それが似てたんですよ』てんですね

「私の秘密」は、初代司会者高橋圭三の「事実は小説より奇なり」という決めゼリフが流行語になるくらい評判になり、12年もの長寿番組になりました。

それにしても、こうディテールからオチまで落語とそっくりそのままとなると、事実どころか、これは落語好きの構成作者がヤラセで作ったんじゃねえかと、疑いたくもなりますな。ねえ、志ん生師匠。

2020年2月16日 高田裕史

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■本サイトで紹介する落語の演目は450席。演目ごとに、およそ千字のあらすじと知りたい知識を深くわかりやすく提供します。落語経由でこの国のディテールを覗いてみましょう。 下段の「落語演目の索引」ボタンから演目を探してください。落語を聴いていて生じた「?」にお答えします。耳に残った人名や言い回しを右の検索窓に入力しても項目が出ます。かゆいところに手が届いた情報、満載です。敬称略。

千字寄席編集部 (古木優/高田裕史)

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