落語をもっと知りたーい。

【RIZAP COOK】

そんなとき web千字寄席が便利。

■掲載落語は450席。1席ごとにあらすじと解説を載せました。下段の「落語演目の索引」から演目を探す。検索窓に知りたい言葉を入れて見つける。便利です。日々進化。

千字寄席編集部 (古木優/高田裕史)

【落語網】

稲荷町の落語長屋

読売新聞(4月20日付朝刊)によれば、写真家の秋山武雄(1937-)さんが個展を催しました。紙面には三葉の写真が載っています。

うち一葉に稲荷町いなりちょうの落語長屋も。竜泉以外にもあるのですね。落語長屋は、九代目桂文治(高安留吉、1892-1978)や八代目林家正蔵(岡本義、1895-1982)などが住んでいたことで有名でした。

清洲橋きよすばし通りから路地に入ったところに四軒長屋で建っていた、あれです。向かいは同潤会の上野下うえのしたアパート。そこだけ時間が止まっているよう風情でした。

今ではどちらも取り壊されて、当時の面影はうかがえません。2013年まではあったのだそうですが。驚きです。

秋山さんの個展に、三遊亭好楽師匠(家入信夫、1946-)が立ち寄ったそうです。好楽師匠は、落語家人生のスタートは八代目正蔵門で、林家九蔵と称していました。東池袋から落語長屋に日参していたのですね。当時の思い出話に花が咲いたことでしょう。

落語長屋で思い起こすことが、ひとつだけあります。

麻生芳伸あそうよしのぶさん(冷蔵庫評論家、1938-2005)が『林家正蔵随談』(青蛙房せいあぼう、1967年)編集のため、落語長屋の正蔵宅を訪れた折のこと。

近所の店からラーメンを出前させようと、正蔵はおかみさんに電話をかけさせました。正蔵お気に入りのうまいラーメンだそうで、それを麻生さんに味わってもらおうという心配りだったのでしょう。でも、その日は店の休業日。出前どころかラーメンをつくれないとのこと。おかみさんが電話で「そこをなんとか」とかにじり寄っても、つくれる者が出払っていて無理だとのこと。話がすすまない。

そこで正蔵、キッとなって受話器を奪い取るや「おい、おれはラーメンを食いたい。てめえんとこはつくれねえ。いったいどうすりゃいいんだぁ」。

低くどすの入った凄み深い悪態。傍らで聴いていた麻生さん、正蔵がもつ心底の恐ろしさを感じて内心震え上がったそうです。小さんになり損ねた時もこんなだったのでしょうか。

ところでラーメン。二人は食べられたのでしょうか。そこを聴き忘れてました。ご両人が冥界あっちに行かれてからもう久しく。わからずじまいです。すみません。

(4月24日 古木優)

落語の古典と新作の違いは?

読売新聞(3月23日付朝刊)に面白い記事が載っていました。落語の古典と新作の違いはなにか、という素朴な疑問を、CDプロデューサーの京須偕充きょうすともみつ氏に投げかけたものです。文化部の森重達裕記者が構成しています。 

三遊亭円朝以前、以後で区別できるかもしれませんが、「古典落語」という言葉自体が戦後に定着したものですから、どれが古典で、どれが新作と白黒を付ける議論をしても仕方ないと私は思います。古典に独自の工夫を入れて噺を新しくする人もいれば、新作に古典の要素を入れて語れる落語家もいる。融通無碍ゆうづうむげにできるのが落語という形式ですし、とらわれずに楽しめばよいのではないでしょうか。

これが京須氏の見解ですね。ということは、古典も新作もない、ということですかね。「古典に独自の工夫を入れて」と言っている「古典」とはなにをさしているのでしょうか。うーん。悩みます。

(3月25日 古木優)

サイトマップ】

 

 

 

 ほぼ敬称略