そのことあわせにひとえもの 

成城石井.com 

江戸の古いしゃれことば。

もともと、相手の意を受けて「そのこと、そのこと」と、大賛成という意向を即座に伝えるだけのことばです。

それを重ねことばとせず、着物でしゃれているわけです。

「そのこと」は「布子ぬのこと」という地口。

布子は綿入れになった木綿の生地。

それを二枚重ねに縫って秋冬用のあわせにし、夏用には一枚で裏地なしのひとえものにします。

もう一つ、「ことあわせ」は「事合わせ」で、万象のリズムがよく合うこと。

動詞で「こと合う」などとも言います。

これで、相手への同意と、同時に「合わせ=袷」でダブル、すなわち「そのこと」の反復をも示すわけです。

なかなか手が込んでいます。

成城石井.com  

落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Share
Published by
落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Recent Posts

【ぽんこつ古木の世迷い小屋】

ぽんこつふるきのよまいごや/ふ…

2日 ago

【近江八景】

おうみはっけい 鉄板の故事成語…

3日 ago

【半分垢】

はんぶんあか 鉄板の故事成語2…

3日 ago

【王子の狐】

おうじのきつね 鉄板の故事成語…

3日 ago

【後生鰻】

ごしょううなぎ あー、いい功徳…

4日 ago

【王子の幇間】

おうじのたいこ 鉄板の故事成語…

4日 ago