【しからば御免の蒙り羽織】

しからばごめんのこうむりばおり

成城石井.com 

武士が武張ぶばって「しからば御免をこうむって(=それでは、お言葉に甘えて失礼いたす)」という挨拶を芝居などで町人が覚え、むだぐちにしたもの。

気取った言い回しなので、将棋の対局中にも、あるいは、酒の席などでも使われたことでしょう。

推測ですが、「こうむり」は「かぶり」に転化し、羽織を含め、着物をはしょって頭からかぶるラフな着方があるため、最後に羽織を出したのかもしれません。

もう一つ。

「かぶる」は「かじる」の意味の同音異義語があるので、そこから「歯→はおり」としゃれたという見立てはどうでしょう。

いやいや。

いくらなんでも、むだぐちでそこまで考えてはいませんね。

ことばというのは生き物です。

人が意図しなくても、自然に暗号めいた符合が付いてしまうことが、よくあるものなのです。

落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Share
Published by
落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Recent Posts

【ぽんこつ古木の世迷い小屋】

ぽんこつふるきのよまいごや/ふ…

2日 ago

【近江八景】

おうみはっけい 鉄板の故事成語…

3日 ago

【半分垢】

はんぶんあか 鉄板の故事成語2…

3日 ago

【王子の狐】

おうじのきつね 鉄板の故事成語…

3日 ago

【後生鰻】

ごしょううなぎ あー、いい功徳…

4日 ago

【王子の幇間】

おうじのたいこ 鉄板の故事成語…

4日 ago