しからばごめんのこうむりばおり
武士が武張って「しからば御免をこうむって(=それでは、お言葉に甘えて失礼いたす)」という挨拶を芝居などで町人が覚え、むだぐちにしたもの。
気取った言い回しなので、将棋の対局中にも、あるいは、酒の席などでも使われたことでしょう。
推測ですが、「こうむり」は「かぶり」に転化し、羽織を含め、着物をはしょって頭からかぶるラフな着方があるため、最後に羽織を出したのかもしれません。
もう一つ。
「かぶる」は「かじる」の意味の同音異義語があるので、そこから「歯→はおり」としゃれたという見立てはどうでしょう。
いやいや。
いくらなんでも、むだぐちでそこまで考えてはいませんね。
ことばというのは生き物です。
人が意図しなくても、自然に暗号めいた符合が付いてしまうことが、よくあるものなのです。