【愛敬稲荷】

あいきょういなり


成城石井

市ヶ谷御門から外濠沿いに東北に行くと、市ヶ谷田町下二丁目(新宿区市谷田町2)があり、その裏手に立つのがこの神社です。

以前は、おたつ稲荷。慶長年間(1596-1615)、女性おたつが祈願の末に良縁を得たところから。俗称です。

江戸という町では、こんな取るに足りない故事をきっかけに信心がはやったものです。おたつ稲荷は愛敬稲荷に。おたつは愛敬が魅力の女性だったのでしょう。

この稲荷、もとは市谷饅頭谷(新宿区四谷4)にあったそうですが、宝永年間(1704-11)にこの地に移されました。

ご多分に漏れず神仏習合で、無量寺(古義真言宗)に属していた市ヶ谷八幡の別当(管理者)の所有だったようです。

無量寺は空襲で廃絶したようです。江戸期には門前に隠し町(岡場所)があったそうですが、寛政の改革(1789)に廃止されました。

 

 

落語あらすじ事典 千字寄席編集部

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