ちがいなしのまんなか


  成城石井

これもむだぐち? というかんじですが、正確には江戸アクセントで「ちげえねえの真ん中」。

「どんぴしゃ」「間違いなし」というのを強調した形です。

このむだぐちは、寛政(1789-1801)から天保(1801-44)にかけてのはやりことば。

「……の真ん中」という言い回しは、的中、大当たりという意味で、語意を強調するため、広く使われました。

むだぐちを継ぎ足して「違えねえの真ん中、もうちっと端を行くと、溝へでも落ちるだらう」(人情本『娘太平記操早引』、1837年初編刊)などとからかうことも。

このしゃれををもじったものに「わからないの安中」があります。

「真ん中」と上州(群馬県)の安中を掛けた地口です。

【語の読みと注】
安中 あんなか


  成城石井.com 

落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Share
Published by
落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Recent Posts

【ぽんこつ古木の世迷い小屋】

ぽんこつふるきのよまいごや/ふ…

2日 ago

【近江八景】

おうみはっけい 鉄板の故事成語…

3日 ago

【半分垢】

はんぶんあか 鉄板の故事成語2…

3日 ago

【王子の狐】

おうじのきつね 鉄板の故事成語…

3日 ago

【後生鰻】

ごしょううなぎ あー、いい功徳…

4日 ago

【王子の幇間】

おうじのたいこ 鉄板の故事成語…

4日 ago