【怪誕不経】

かいたんふけい


成城石井

いつわり多く、ふつうではない。

もでたらめ。はまとも。不経はまともじゃない。

誕生生誕などの熟語からうかがえるように、うまれるの意が一般的です。

でも、これは現代の話。

はでたらめ、いつわりの意のほうが、古いのです。

誕妄:でたらめ =妄誕誕譎 ※はいつわり

誕言:うそ

虚誕:おおげさなうそ

誕欺:ほらをふいていつわる

誕謾:でたらめ =謾誕 ※謾はあざむく

いろいろあります。

では、なんで、でたらめ→いつわり→うまれる、と意味が増えたのか。

赤ん坊が産道からだらだら延びるかんじで出てくるところから、うまれるもいつわるも同根なのだそうです。

うーん。

なんとも信じがたいのですが、にはだらだら、ずるずるという語感があるようです。

ならば、これ。

誕る

なんと読むか。

いつわる、と読みます。

ずるずるとほんとうのことを言わない、といったニュアンスです。

もうひとつ。

副詞として、は、ここに、と読む場合があります。

降嘉種 ここに嘉種を降す 詩経

嘉種はよいたね。

先登于岸 ここにまづ岸に登る 詩経大雅

このを、発語の助字といいます。

を副詞で使う場合は、文頭に置くのが通例です。


成城石井

落語あらすじ事典 千字寄席編集部

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