Categories: 江戸の語

【あだじけない】あだじけない

 

けちん坊、吝嗇である、の意味です。

「ケチくさい」のニュアンスから「貧弱な」「取るに足りない」という意味も派生しました。

語源は、「大言海」によると、「あた(あだ)」は蔑みの意味を表す接頭語、「しけない」は「しわけなし(い)」が縮まった言葉で、「しわい=ケチ」の古い形です。

江戸っ子風の洒落言葉として「あたじけなすび(茄子)」という表現もあります。

これは文字通り「ケチん坊」のことで、感謝の意味の「かたじけなすび」とまったく同型です。

ふだんあだじけない嘉藤太が平松なぞへ連れて参ってあれを喰え是をたべろと馳走致しますのは不思議な事だと。

                        三遊亭円朝「敵討霞初島」

【語の読みと注】
平松 ひらまつ:料亭の名

落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Share
Published by
落語あらすじ事典 千字寄席編集部

Recent Posts

【ぽんこつ古木の世迷い小屋】

ぽんこつふるきのよまいごや/ふ…

2日 ago

【近江八景】

おうみはっけい 鉄板の故事成語…

3日 ago

【半分垢】

はんぶんあか 鉄板の故事成語2…

3日 ago

【王子の狐】

おうじのきつね 鉄板の故事成語…

3日 ago

【後生鰻】

ごしょううなぎ あー、いい功徳…

4日 ago

【王子の幇間】

おうじのたいこ 鉄板の故事成語…

4日 ago