「呉越同舟」「臥薪嘗胆」「四面楚歌」……。ことばの奥に潜むストーリーが四字熟語の魅力です。物語の意味を知り改めて四文字の結びつきや組み立ての深淵や芳醇を感じることが四字熟語のおもしろさ。中国では「故事成語」といいます。落語にも通底する魅力です。古人の知恵をさぐりましょう。
あいえんきえん【合縁奇縁】人と人の交わりは不思議な縁によるもの
あくいんあっか【悪因悪果】わるい原因にはわるい結果が
いんがおうほう【因果応報】善行には善報が、悪行には悪報が
がんこうしはい【眼光紙背】文字づらばかりか文章の深意を知る
がんこうしゅてい【眼高手低】口ほどにもない 談志
かんしょうばくや【干将莫邪】伝説的な名剣
きゅうぎゅうのいちもう【九牛一毛】取るに足りない
けいぐんのいっかく【鶏群一鶴】凡人の中に一人傑物がいる
こうこうのしつ【膏肓之疾】不治の病
こうてんしんなくただとくをこれたすく【皇天親なく惟徳を是輔く】天は徳人を助ける
せきあくのよおう【積悪余殃】悪を積んだ家ではその悪報が子孫に
せきぜんのよけい【積善余慶】善を積んだ家ではその余徳が子孫に
ぜんいんぜんか【善因善果】よい原因にはよい結果が
そうじょうのじん【宋襄之仁】いらぬ気遣い
たざんのいし【他山之石】他人の悪行を見て自己の向上を図る
ちみもうりょう【魑魅魍魎】化け物いろいろ
ちんけんへいも【椿萱並茂】両親が健在
ゆうずうむげ【融通無碍】のびのび 志ん生
ようしほうこう【雍歯封侯】部下を安心させるには嫌いな者をまず抜擢する
参考文献:『中国故事物語』(後藤基巳ほか編、河出書房新社、1972年)、『中国名言物語』(寺尾善雄著、河出書房新社、1972年)、『日本故事物語』(池田弥三郎著、河出書房新社、1967年)、『中国の故事と名言五〇〇選』(駒田信二ほか編著、平凡社、1975年)、『新明解四字熟語辞典』(三省堂編修所編、三省堂、2010年)、『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部編、岩波書店、2002年)、『大漢和辞典 修訂第二版』(諸橋轍次編、大修館書店、1989-90年)